検査登録の役割

自動車検査登録の役割や、⾞社会と⾃動⾞検査登録制度についてご紹介します。

道路運送車両法に基づく役割

自動車の登録

「所有権の公証」という民事登録と「自動車の保有実態の把握」という行政登録の二つの目的があります。

民事登録の性格

所有権を公証し、第三者対抗要件を与えることにより、ユーザの所有権を保護し、車についての法的安定性を確保することができます。これをベースに、自動車の流通の安定と円滑化が図られます。

行政登録の性格

ナンバープレートを交付し、自動車の識別を可能にすると同時に、個々の自動車の保有実態を行政的に把握することができます。

自動車の検査

自動車の構造・装置を定期的にチェックすることにより、自動車の安全を確保し、公害を防止するとともに 円滑な道路交通の確保と省エネルギー化を図ります。

保安基準への適合性

自動車を安全で、公害をもたらさない状態に維持しておくことは、使用者の社会的責務といえます。道路運送車両法では、「道路運送車両の保安基準」を定め、この保安基準に常時適合させることを義務づけています。

安全の確保、
公害の防止の担保手段

自動車は、走行することにより、また、使用期間の経過等に伴ってその構造・装置の劣化、摩耗をさけることはできません。このため、自動車の同一性と保安基準適合性について定期的に検査を実施する必要があります。
検査制度は、自動車の諸元(大きさ、重量、排気量等)の確認と安全の確保、公害の防止を制度的に担保するための必要不可欠な手段であるわけです。

車社会と自動車検査登録制度

車の社会性

自動車は、公の道路において不特定多数の人に利用されるものである一方、走行中に事故を引き起こす危険性及び公害を惹起するおそれを内在しています。
また、自動車の放置や自動車による犯罪等も社会に大きな影響を及ぼします。自動車が多くなればなるほど車と社会との関係は緊密になり、社会との調和が強く求められます。

車の識別

自動車は、また財産としての価値を有しています。しかし、自動車は大量生産されるものであり、また移動するものであるため、外形上誰のものかを特定するのは困難です。このため、
個々の自動車を制度的に識別し、所有者、使用者等を判別し得るようにしなければ、自動車に対する公的、私的な権利義務関係の確定が困難となります。

車社会の秩序と管理

自動車と社会との調和を図るには、車社会の秩序が維持されていなければなりません。このため、車社会を構成している個々の自動車について、制度的に把握し、コントロールができるようにしておくことが社会的に要請されます。

車社会を支える
自動車検査登録制度

自動車を検査し登録することにより、自動車の安全確保・公害防止が図られるとともに、個々の自動車の識別が可能となり、所有及び使用の実態が制度的に把握されます。検査・登録を受けることによって、自動車は初めて社会的に認知された乗物となるのです。
自動車検査登録制度は、巨大化していく車社会の秩序を支えています。

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